変幻自在・組み合わせ無数

またまた探偵ガリレオシリーズを購入した。

虚像の道化師 (文春文庫)

虚像の道化師 (文春文庫)

短編7本が収録されている。

ガリレオシリーズ第1作の、(いま振り返ると)シンプルな理科系推理、・・みたいなスタイルからどんどん変化して、変幻自在、組み合わせ多彩、ひっくり返しパターン無数、という感じ。

  • マイクロ波を使って身体を熱くする仕組み」を使う新興宗教

  • 「赤外線カメラを使った透視術」(モモンガの夜行性というヒントあり)

  • 「電磁波照射」を使った幻聴

  • 「強アルカリ薬剤」による車の傷

  • 「テレパシー」と思わせて追い込む手法

  • 殺人現場の偽造のウソを優しく救う湯川

  • 劇団ファンで、劇団員の不可思議な行動を解きあかす湯川

・・パターン無数だから、どう展開されるか、できるだけ注意深く読もうとするが、毎回「うわっ、そう来るか!」の展開だった。

スタイルをここまで柔軟に崩しながら、「湯川准教授の正義観、観察力、誠実さ、科学知識の豊富さ」は必ず生かされる、という安心感、読み応え感。

圧倒的な満足感、説得力。

シリーズが更新されるたびに、面白さが「維持」されるのではなく、「上昇」するという力強さ。

・・いや、ホントに、大変なことだ。